DIARY

編集日記

「デザイン承認」は翻訳絵本の大事な通過点

「デザイン承認」は翻訳絵本の大事な通過点

翻訳絵本の編集で避けて通れないものに、「デザイン承認」というビッグイベントがあります。一言で言うと、「日本語版にするにあたってこんなふうに編集しています。ここはこう変更したいです」などを原書の権利者(版元さんや著者)に伝え、許可してもらう手続き。

 

翻訳物の場合、行数の増減や改行位置や行アキのバランスが変わる、ということは多々あります。また、日本語での読みやすさを考えて、中央揃えを左揃えに変更することも。もちろんデザイナーさんと相談し尽くしてベストの状態で承認申請するものなので、権利者さんからはご快諾いただくことがほとんどですが、いってみれば日本語版のイメージを初めて著者に見ていただく機会なので、毎回お返事がくるまで本当に緊張します。

 

さて、昨年10月に刊行した『ホシムクドリがうたう歌』は、版画(リノカット)を用いた芸術性の高い絵本。本文のレイアウトにも著者のこだわりがてんこ盛りで、それをどうやって日本語に反映するか……訳者の塩﨑先生とはお打ち合わせのたびに「著者OKしてくれるかな…」とお話ししていた気がします。たくさんのアイディアとともに、デザイン承認の際にもいっしょにドキドキしてくださった塩﨑先生、ありがとうございました!

 

『ホシムクドリがうたう歌』は、ただいまNetGallyさんで全文試し読みを公開しています。

文章を鳥たちのシルエットにそわせながら、日本語としての全体のバランスも見るという作業をくりかえし、著者のこだわりに負けない熱量で完成した日本語版。編集担当の特に好きなページはカモとコマドリです。みなさんはどのページがお好きでしょうか(A)